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ぼくはまた君に恋するんだろう

「夕暮れに、手をつなぐ」第5話、第6話感想〜空の青さを知る

呼んでいる 胸のどこか奥で

いつも心躍る 夢を見たい

かなしみは数えきれないけれど

その向こうできっと あなたに会える

 

繰り返すあやまちの そのたび ひとは

ただ青い空の青さを知る

果てしなく 道は続いて見えるけれど

この両手は光を抱ける

 

さよならのときの静かな胸

ゼロになるからだが 耳をすませる

生きている不思議 死んでいく不思議

花も風も街もみんなおなじ

 

呼んでいる 胸のどこか奥で

いつも何度でも 夢を描こう

 

かなしみの数を 言い尽くすより

同じくちびるで そっとうたおう

閉じていく思い出の そのなかにいつも

忘れたくない ささやきを聞く

 

こなごなに砕かれた鏡の上にも

新しい景色が映される

はじまりの朝の静かな窓

 

ゼロになるからだ 充たされてゆけ

かなしみの数を言い尽くすより

同じくちびるでそっとうたおう

 

閉じていく思い出の そのなかにいつも

忘れたくない ささやきを聞く  

こなごなに砕かれた 鏡の上にも

新しい景色が映される

 

はじまりの朝の静かな窓

ゼロになるからだ 充たされてゆけ

 

海の彼方にはもう探さない

 

輝くものはいつもここに

わたしのなかに見つけられたから

 

 

「いつも何度でも」

千と千尋の神隠し 主題歌

歌:木村弓

作詞: 覚和歌子

作曲: 木村弓

「いつも何度でも」は2001年「千と千尋の神隠し」の主題歌。なにものでもない普通の子が働いたり人と関わることで成長する物語。

 

「夕暮れに、手をつなぐ」

第5話「君の隣で眠る」

演出:金井紘 脚本:北川悦吏子

第6話「君が好き」

演出:山内大典 脚本:北川悦吏子

 

アンダーソニア出社の前夜、眠れない空豆はリビングの炬燵で、音の斜め横で眠る。足先だけを重ねて。

時計の針のように。

まだ先の見えない二人が寄り添う暗い夜。

月明かりの窓から優しい光が差しこむ。

 

 

5話の冒頭、ファストファッションとのコラボ打ち合わせ中、縫製のことでもめる久遠。「服はゴミじゃねえ」使い捨て文化とでもいうものに怒る姿には創作者としてのプライドが見える。

「感情を抑えるな。自由じゃないと物を作ることはできん」「自由に思い描け。汚いことも綺麗なことも心のままに。それがファッションの原点だ」「自由でいることは難しいぞ」「俺たちはファッション。流行を作るが流行に縛られる」

「だが俺は(流行でも好きでないものは)作らん。それが自由だし、アンダーソニアの矜持だ」

久遠の言葉、ファッションにも音楽にも脚本にも、あらゆるクリエーターに当てはまる気がする。

 

「この世は地獄だ」

「ランキング地獄だ」

デビュー前から自分を安売りしないプライドの持ち主だったのに、マンボウは最新曲の売行きが悪いのを機に引退する。

 

自分を偽って髪も切らずに音とユニットを組もうとしていたソイ(アリエル)はマンボウの元へ行く。自分にとって大切なものが分かったアリエル。

 

デビュー目前の明るく希望にあふれたはずの音なのに、厳しい現実が立ちはだかる。

 

「ミューズが必要なんじゃない。この人に作ってみたい。この人に着てほしいっていう創作の女神よ。」

なかなか納得できるデザインが浮かばない空豆に千春が伝える言葉。

 

音の作る曲を聴いてみただけで、いくつものイメージが溢れでてきた空豆

音のために即興でドレスを作ったゲリラライブ。

音のために見つけた歌姫。

 

空豆が救った音楽。

自分の曲で泣いてくれた空豆

真っ先に聴かせたいひと。

 

お互いがお互いのミューズなのだろう。

 

冬なのに夏生まれの空豆の誕生日を「もうすぐ」と言う塔子。おそらく、ずっと頭の中に空豆のことがあったはず。塔子にとってのミューズは空豆だったのか。

 

 

これから音も空豆もセイラも日の当たる場所でそれぞれの花を咲かせるのだろうか。仕事が終わって、ほっとできる夕暮れの時間を一緒に過ごせるようになるといいな。