beautiful world

ぼくはまた君に恋するんだろう

『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』考察感想〜君だけの色も形も優しさも強さも〜

『Paradise』

 

昔々きいた話

ふたつの虹を超えたその向こう

光り輝く泉がある

その水面映るのはほんとの自分

 

しあわせは今 しあわせは空

Let's fly, fly & fly

We fly & fly目と目を合わせ

信じあえるよ 感じあえるさ

Let's fly, fly & fly

We fly & fly いつか

わかるだろう 君にはもう君だけの

色も形も優しさも強さもあるんだ

 

上手くいかなくたって

失敗ばっかりだって

ぼくはここにいるよ

 

I love you so much 大好きなんだ

そのままで 大好きさ Paradise

宝物はそこにあるよ 気がついてよ

世界中探しても

君は君しかいないよ

広がる楽園 繋げよう 誰も誰もが Paradise

 

雨が降ればぬかるむ道

道端に咲いた花に集まる蝶を

照らす太陽は全てを温め乾いた道に

雨は降る あたりまえだけど奇跡

 

小さなちっぽけな今には

大きな大きな夢が詰まっているの

悔しさに泣いたって

手を差し伸べるから

ぼくはここにいるから

 

| love you so much 大好きなんだ

そのままで大好きさ Paradise

宝物は君なんだよ 気がついてよ

ひとりひとりの Paradise

この惑星の歴史にも

君は君しかいないよ

目には見えないけど確かに

ひとりひとりの Paradise

 

しあわせは今 しあわせは空

Let's fly, fly & fly

We fly & fly目と目を合わせ

信じあえるよ 感じあえる

だから大丈夫

心のまま行こう Paradise 

 

 

 

 

歌:NiziU

作詞: AKIRA ・Bang Chan・Changbin ・ HAN (3RACHA)

作曲:Bang Chan・Changbin (3RACHA)・ HAN (3RACHA)・VERSACHO

 

最初に言っておきますが、雑食オタクのひとりごとです。○年ぶりのドラえもん映画なので、ドラえもん好きな方との解釈違いも多々あると思います。どうかご容赦ください。

 

1.エヴァンゲリオン+ミッドサマー

第一印象がこれだった。

 

エヴァ人類補完計画とは「出来損ないの群体として既に行き詰まった人類を、完全な単体としての生物へ人工進化させる計画」。大雑把に言うと他者と自己が同一なら争いはなくなるという意味。

 

カルトとは知らずにホルガ村に行った大学生たちも、ちょっとした好奇心とかトラウマ解消、研究のためだったりする。

 

宗教にハマるのも、現実社会で上手くいかなかったり、ちょっとした好奇心だったりするのかもしれない。二度と戻れないと夢にも思わずに。しっかりしているように見えるハンナもしずかちゃんもパラダピアにきてしまったように、ほんの少しのきっかけで誰にでもありえることなんだろう。

 

 

2.ユートピア

トマス・モア著『ユートピア』はギリシャ語で「どこにもない国」の意味。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%94%E3%82%A2_(%E6%9C%AC)

当時のヨーロッパ社会の風刺であり、奴隷制があったり、今日の感覚では理想郷とはほど遠く感じられる。

(奴隷=クリオネアだったりソーニャだったりするのかな。四次元ポケットを取られたり、腕輪はその象徴だよね。ちなみにクリオネには脳がない)

 

「争いも犯罪もない」パラダピアだけど、三賢人が庶民の上位職だったり、バッヂの色が変わったり、明らかに上下関係はあるのが怖い。陶芸シーンも線を一本描くだけだったり、クリエイティブなことを考えるのも個性だからダメなんだろうな。

 

算数体育も楽しそうだけど、誰も解き方も考え方も教えてくれない。応援するばっかり。

ジャイアンスネ夫も優しくなったけど、それは本当の優しさなのか。夜中にわざわざ声掛けにきてくれた友達の話を聞くこともなく、決まりを守ることにしか興味を持たない。自分でなぜ決まりを守らなければならないのか考えることもしない。

 

端的に言えばマインドコントロールなんだけど、こういうのってカルトのコミューンだけじゃない。戦時下のドラマなどでもよく見るのが他人事じゃなくて怖い。

 

じゃあ、何故、のび太にだけはパラダピアンライトが効かなかったんだろう。

空気を読まない、読めないからかな。

いつも何かを考えているのび太だから、のび太らしさが世界を救ってくれたんだと思う。

 

 

3.がらくた

ソーニャは売れ残りで、飲食店で働いていたけど失敗ばかりで捨てられたところを三賢人(博士)に拾われてパーフェクトに改造してもらった。

ドラえもんも製造工程でネジの外れた不良品でオークションにかけられたけど、野比家に貰われた過去がある。

どちらも本当は子守ロボットなのに。

 

ソーニャが売れ残ったのは黒猫だからかもしれない。保護猫でも黒猫は不人気らしいので。

コロナ禍でペットを飼う人が増えた分、飼育放棄も増えている。ペットにも心があるのに。

 

物語の最初のほうで、使えないひみつ道具をただ捨てるのではなくてリサイクルに出すのも、中古の飛行船を買うのも、がらくたとして捨てない生活ということだよね。

 

 

4.虹

虹にはいくつか意味があるような気がする。

  • タイムツェッペリン号が旅立つときに出た虹は「希望」の象徴。冒険のワクワク感がある。
  • その裏ではソーニャが頑張っているんだけど😢
  • 「虹の下は土砂降り」ということわざを思い出した。誰かがキレイだと外から見ている内側では苦労している人もいるんだよね。
  • 「虹」は「LGBTのレインボーフラッグ」のように「多様性の象徴」でもあるね。ポスターのひこうき雲の虹は「多様性」の意味かな。
  • ペットを飼っている人なら一度は聞いたことがあるかもしれない「虹の橋」の言い伝え。飼い主に先んじて亡くなったペットが虹の橋で飼い主が来るのを待っているという作者不明の物語。ソーニャにはもっと早く、みんなと会って笑ってほしいな。

 

 

〈その他番外編〉
  • ソーニャの初登場シーン。来迎図(信者が亡くなると迎えに来てくれる仏様)かとびっくりした。
  • 脚本の古沢良太先生はEテレで「こどものための哲学」の脚本も書いておられる。その経験が生かされている本だと個人的には思う。
  • ソーニャの最初の抑揚のない話し方から徐々に心を取り戻す声の演技が自然すぎて。毎回、役に対する理解力が凄いよね。
  • 藤子F不二雄さんはSF(サイエンスフィクション)を「すこしふしぎなものがたり」と言っておられたんだけど、パンフレットのインタビューで廉くんがさり気なく、だけど自然に「すこしふしぎな」と使っていたのにびっくりした。知っていたのなら流石すぎる。
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