beautiful world

ぼくはまた君に恋するんだろう

「おかえりモネ」第7週、第9週感想〜巣立ち〜

I wanna fly so high

Yeah, I know my wings are dried

「翼仰げば」って人は云う

 

その向こうにあるは無情

飛べる者 落ちる者

 

誰も見てない

気にも留めない

それでも飛び続けた

 

傷ついた言葉乗せ

運びたいから

 

追いかけて 届くよう

僕等 一心に 羽ばたいて

問いかけて 嘆いた夜

故郷(まち)は 一層 輝いて

 

ワタリドリの様に今 旅に発つよ

ありもしないストーリーを

描いてみせるよ

 

I wanna fly so far

away with my guitar

「一人じゃない」って人々は歌う

 

間違いじゃない

理想論でもない

ただ頼って生きたくはない

 

誰も聴いていない

気にも留めない

それでも歌い続けた

 

傷ついた あなたを

笑わせたいから

 

追い風 届けるよ

僕等 一心に 羽ばたいて

遠い過去を 背負ってた

あなたを未来へ運ぶよ

 

ワタリドリの様に今 群れをなして

大それた四重奏を 奏で終える日まで

 

All this time we come and we grow

Now it's time that we should go

But we both know that this is for sure

It's not the end of the world

 

Well, see you one day

 

追いかけて 届くよう

僕等 一心に 羽ばたいて

問いかけて 嘆いた夜

朝焼け色に 染まっていく

 

ワタリドリの様に いつか舞い戻るよ

ありもしないストーリーを

いつかまた会う日まで

 

「ワタリドリ」

歌 : [Alexandros]

作詞:川上洋平

作曲:川上洋平

「ワタリドリ」は2015年の「Alexandros」の曲。清原果耶ちゃんが「あさが来た」で女優デビューした年でもある。この作品を皮切りに彼女は女優としての才能を開花させていく。

ワタリドリはヒナに飛び方は教えられるけれど、その先は自分の羽で飛んで行かなければならない。

いつかモネと四重奏を奏でるのは誰なんだろう。

 

 

「おかえりモネ」

第7週「サヤカさんの木」

第9週「雨のち旅立ち」

 

勉強ってなんだろう。何のためにするんだろう。他人のためと漠然と思っていたモネに具体的な目標が見えてきた第7週。

サヤカさんが孫のようにモネのことを想ってくれているのも嬉しい。森林組合の人たちもモネが跡を継いでくれると安心する。森の木々のような穏やかな優しい人たちとの仕事は楽しい。この温室のような心地よさを手放したくないと無意識にでも思っているモネの気持ちはよく分かる。法事のときの働きぶりや、トムさんの世話を甲斐甲斐しくするモネを見ていると、本来、他人のために働くのが好きな子なんだなというのが分かる気がする。先生やってたお母さんも、民宿やってたおばあちゃんも。

 

そんなモネが「自分のために」勉強しようと思えるきっかけが、野坂さんや内田くんの研究だったのかもしれない。天気予報だけじゃない、可能性を広げる資格としての気象予報士

 

「私たちの頭の上で起きている気象現象は数日前、南の海や北の大陸で起きた現象に必ず起因しますから。だからそれを分析すれば、未来に何が起こるか分かります。つまり、気象においては危険を予測し、回避する時間が得られます。これが我々のリードタイムです。私たちが全力をつくして提供するのは大切なものを守る時間です。 

何もできなかったと思う人はきっと次は何かできるようになるでしょう。その想いが私たちを動かすエンジンです。」

 

何もできなかったと言うモネに朝岡さんが掛けてくれた言葉。こんな言葉を掛けてくれる人と一緒に働きたいと思うのは自然だろう。まだ具体的には何ができるのか、何をしたいのかは分からない。でも、焦らなくて良い。サヤカさんが言っていたね。ヒバの木のようにゆっくり成長すれば良い、と。

 

「今は自分にもできることがあるかもしれないって。気象はね、未来が分かるんだよ。未来が予測できるってことは誰かが危ない目に合うのを止められるかもしれないってことで。」「この仕事で誰かを守ることができるんなら私は全力でやってみたい。大切なものをなくして、傷つく人がでるのを見たくない。」

家族だからこそ言えなかった言葉を紡ぎ出すモネ。父親の勧めてくれた高校の音楽コースには入学できなくて、同級生と同じ苦労もできなくて。(被災者として自分の苦しみと人を比べてしまって、軽いと後ろめたさを覚えてしまう気持ちはよく分かる。永浦家も大変だったのに耕治さんも同じようなこと言ってたよね)

 

先週のりょーちんと同じく、自分に言い聞かせているかのようなモネ。子ども時代からの決別を感じる。モネの両親もモネにコーヒーを出して、大人として扱う。

 

朝ドラ定番の子役時代からの描写じゃない理由が分かった気がする。今、やっとモネは大人になったのだから。

 

前にサヤカさんが温室でヒバの苗木を育てる描写があった。漁師から牡蠣を育てる仕事に変わったおじいちゃん。新入社員のモネを優しく気遣う上司の翔洋さん。

「朝」の光のように、進むべき道を照らしてくれる朝岡さん。「光」を照らして寄り添ってくれる菅波光太郎先生。木が年輪を刻むように一緒に成長してくれる。これから先生と生徒じゃない対等の関係に二人はなれるはず。

 

モネの周りには優しい人が守ってくれていたね。

でも、そんな温室を飛び出してコンクリートだらけの東京に羽ばたこうとするモネ。

 

山と海を繋ぐような川に沿ってひとり歩むモネの顔は晴れ晴れとしている。

 

サヤカさんの分身のようなヒバの木の側にいつの間にか生えていた若木。温室で栽培された木じゃなくて、自分の力でしっかり根を張って立っている。そんなラストシーンだった。

 

東京で大人として成長していく姿を見るのが楽しみだよ。

 

 

 

(以下、余談です)

・自分の楽しみのために島にいなくて疎外感を感じたモネの認識は正解かどうかでいうと間違えているけど、仕方ないよね。「立ち直らねえ」という新次さんも間違えているけど、そんなの自分でも分かっていると思う。

(大学辞めて音楽やるという三生に)

モネ「なら別に大学で仏教勉強しながらできるじゃない。今お坊さんにならないって決めなくても良いんじゃない?」

亮「モネ、ド正論言うと逃げ場なくなるから」(第3週)

モネも他人事だと冷静に言えるんだから。

 

・「大切なものをなくして悲しむ人を見たくない」とモネが言ったときに、みーちゃんがアップになるのはりょーちんに何か起きるフラグ?

 

・第3週で学校での疎外感を思い出していたモネが「蚊帳の外」に出て、ひとり縁側に佇むのって凄い演出だなと思ったのを思い出した。震災当時も、その時も、優しく声を掛けてくれたのは、りょーちんなんだよね。

 

・第8週で、震災で大人にならざるを得なかったりょーちんが、ちゃんと子どもとして新次さんに向き合ったのも、大人として成長したのも良かったなあと今週を見て、しみじみと思った。良い脚本だね。

 

・先週、同級生たちの前で決意表明したりょーちんと、今週、家族の前で決意表明したモネ。前者はできなかった卒業式を、後者はしなかった成人式を表しているんだね。泣いた😢

 

 

・「ワタリドリ」

弱冠13歳の清原果耶ちゃんが超絶美少女なのでMV見てください。

https://youtu.be/O_DLtVuiqhI