beautiful world

ぼくはまた君に恋するんだろう

「おかえりモネ」第21週感想〜永浦未知の場合〜

ありふれた毎日が 懐かしくなるほど

くすぶり沈む夜に揺れる

花を見つめていた

 

人いきれの中を あなたと歩いたこと

振り向きざまに笑う顔を

何故か思い出した

 

カナリヤが鳴きだす四月の末の 

誰もが忘れていく白いプロムナード

あなたの指先が震えていることを 

覚えていたいと思う

 

いいよ あなたとなら いいよ

二度とこの場所には帰れないとしても

あなたとなら いいよ

歩いていこう 最後まで

 

転げ落ちて割れた 

グラスを拾うあなた

その瞳には涙が浮かぶ

何も言わないまま

 

カナリヤが消えていく五月の末の 

木の葉が響き合う湖畔の隅っこ

あなたを何より支えていたいと 

強く 強く 思う

 

いいよ あなただから いいよ

誰も二人のことを見つけないとしても

あなただから いいよ

はためく風の呼ぶ方へ

 

あなたも わたしも 

変わってしまうでしょう

時には諍い 傷つけ合うでしょう

見失うそのたびに恋をして

確かめ合いたい

 

いいよ あなたとなら いいよ

もしも最後に何もなくても

いいよ

 

いいよ あなただから いいよ

誰も二人のことを見つけないとしても

あなただから いいよ

歩いていこう 最後まで

 

はためく風の呼ぶ方へ

 

「カナリヤ」
歌:米津玄師

作詞:米津玄師

作曲:米津玄師

 

「カナリヤ」は2021年の米津玄師の作品。「変わっていくことの肯定」を歌い上げる一曲。

余談だけど、カナリヤは毒物に敏感な鳥で、毒ガス探知のために炭鉱採掘の現場にいた鳥。

 

「おかえりモネ」第21週「胸に秘めた想い」

 

「………お姉ちゃん」

大好きなお姉ちゃん。あの日、お姉ちゃんの顔を見た途端、涙が溢れた。どれだけ心細かったか。心配だったか。赤いマフラーを巻いてくれたのも、手をさすってもらえたのも覚えている。

泣きじゃくるばかりで言葉が出ない私の代わりに、亮くんが「大丈夫。おばあちゃんなら体育館にいるよ」とお姉ちゃんに声を掛けてくれた。亮くんのお母さんもまだどこにいるか分からないのに。

優しい亮くん。誰にでも優しい。私だけに優しい訳じゃないのも知っている。ふと見た横顔が誰に視線を送っているかも。

 

だから、あの時、亮くんがいなくなった時、お姉ちゃんに探しに行ってもらった。私じゃダメなんだと思ってたから。それなのに、お姉ちゃんは亮くんの手を振りほどいた。亮くん、あんなに大変な目にあっているのに。

そして、私は亮くんのそばにいることを決めた。

 

小さな頃から、いつもお姉ちゃんの友達と一緒にいた。覚えてないけど、お母さんが「遊びに行くなら未知も連れて行ってあげて」とお姉ちゃんに頼んだのかもしれない。私は、お姉ちゃんもお姉ちゃんの友達も大好きだったから嬉しかったけど。

すーちゃんやお姉ちゃんは、亮くんのそばにいたいから水産高校に、水産試験場に行ったと思っているみたい。違うよ、と言っているのに。つくづく恋愛脳の人たちなんだなあ。それでも今はちょっと羨ましいかも。二人とも彼氏と仲良さそうで。仕事も順調そうで。

 

亮くんは相変わらず優しくて、だけど壁を感じる。誰も好きにならない、コインランドリーで言ってたの、今でも思っているのかな。お姉ちゃんが帰ってきて、「綺麗事」と言った時の真剣な表情にびっくりした。あんな顔、私といるときには見せてくれたことない。

 

酔ってるなんて嘘。そんなの分かってる。私は研究者だから。対象を観察するのが私の仕事。いつも潰されるって。潰されたフリして早い時間に帰すくせに。

 

美波さんがよく歌っていた「カモメはカモメ」を思い出す。「カモメはカモメ。孔雀や鳩にはなれない」「あなたの望む素直な女にはなれない」

私は美波さんにはなれない。お姉ちゃんにもなれない。

私は私でしかない。

 

「女が自分の好きな仕事選べるなんて、この辺じゃなかなかできることじゃないのよ」

おばあちゃんの言葉。私には好きなことがあるんだった。踏み出す勇気がなくて、亮くんのせいに、家族のせいにしてたのかもしれない。

 

前を向いて、踏み出しても良いかな。亮くん。お姉ちゃん。

 

 

米津玄師さんの「カナリヤ」MVの蒔田彩珠さん、めちゃめちゃ可愛いのと、セリフも無いのに心情が伝わる演技力を見てほしい。

https://youtu.be/JAMNqRBL_CY

 

それにしてもガチで出待ちしてたのびっくりだよ、みーちゃん😅