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ぼくはまた君に恋するんだろう

「新・信長公記」第二話感想〜誰かをなぞる筆〜

負けると思えば負ける

勝つと思えば勝つ

豊臣秀吉の言葉とされる。

 

「新・信長公記〜クラスメートは戦国武将」

Episode.2 天下統一へ秀吉が出陣!

脚本:金沢知樹、萩森淳 演出:中嶋悟

 

「ゴミが」

家康の口癖。

人を人とも思わない性格が現れている。

転校初日に「ゴミが目に入らないようにな」とグラサンを外さなかった家康に「人の目を見て話せ、と親に教わらなかったか?」と言う信長。信玄と家康の一発触発の雰囲気に「焼けた焼けた〜」と呑気な声で仲裁に入る。マイペースで何も見ていないようで、周りをよく見ている信長。

 

「倒れてからが始まりだ」

信玄を救った信長の舞いを自分だと偽り、明智の作った卵焼きを自分のものだと手柄を横取りし、自分の得意な将棋や茶歌舞伎で旗印を立てて勝利する秀吉。旗印戦を頭脳戦と言ってはばからない秀吉は「卑怯者」と言われたことで、銀杏高校に来た初心を思い出す。

その心意気に清正も秀吉を認める。力だけでも知恵だけでも人の心は動かせない。

そのことを黒田官兵衛は知っていて、あえて開眼させたのか。来週以後の秀吉が楽しみ。

歴史が勝者によって都合よく語られたり、事実が変えられることがあることも含んでいる言葉。

 

「親に教わらなかったのか」 

22世紀の秀吉は農民出身ではなく、私立小学校を思わせる制服を着ている。(普通→ヤンキー校じゃないってことかな)小学生時代だけでなく、育ての親もいることが示唆される。

史実では尾張出身の秀吉は関西弁だし、同じく清正は熊本弁。それぞれ所縁の土地の言葉を使う。やはり史実とは違う。

徳川四天王の井伊は家康に歯向かうし。

敵だった毛利を味方につけるし。

 

敦盛に身体が反応する信長や、戦に胸踊らせる武将たちなど、DNAレベルの性格や立ち振る舞いは同じだけど、15歳までの経験や生き方で変わること、史実の武将とは全員違う人物であるを意味しているのかも。

 

マンガ原作を実写化するときにはどうしても賛否両論あるけど、原作をそのままなぞるだけなら実写化の意味ないんだよね。個人的な意見だけど。生身の俳優さんが演じることで新たな生命がキャラクターに吹き込まれる。原作を読んでいても新たな世界を楽しめる。そんなことも実写化の醍醐味のひとつだよ。

 

 

 

〈今週の戯れ言〉

  • 琵琶を持っている上杉謙信の絵が残っている。本番、自分で演奏した犬飼くん、凄い。
  • 本多忠勝くんがこんなに癒やしになるとは。信長のシェフになりたいのかな。
  • 本多ハートの卵焼き。自分は甘いものは苦手なのに信長の好みに合わせているホスピタリティが凄い。
  • 流しそうめんも流す役なのに嬉しそう。(蜻蛉切(槍)の隠喩?)
  • 史実では、本多忠勝は織田・徳川連合軍VS浅井・朝倉連合軍の姉川の戦いで、負けそうになったときに単騎で敵陣に乗り込み、突破口を開いた人物。
  • その際、信長に「花も実もある」と誉められている。(良かったね)
  • 犬飼くんの「絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男」のオマージュでもあったのね。こういう些細なところ好き。
  • 「旗印戦」は負けてもポイントを失わない。だから、同じ相手に二度勝てばポイントが倍貰える。酒井と榊原に二度旗印を立てた秀吉は、そのことを実験というか確かめたかったのかな。これって、勝つ側と負ける側がタッグを組んでいたら、いくらでもポイント稼げそうなんだけど………(原作は途中までしか読んでない💦)
  • 明智の卵焼きを自分の手柄にする秀吉。信長が唯一負けて逃げた金ヶ崎の戦いで殿(しんがり=最後尾)を務めて名を上げたことかな。秀吉が有名だけど、明智も殿を務めていたんだよね。アピール上手の秀吉とアピール下手な光秀。
  • 武田も秀吉も、それぞれの成長物語にもなってて、感動。まだ15歳設定が活きてる。
  • 方言なんかで見なくなるのもったいないよ。
  • 東京出身で東京で生活しているのに、中学時代を関西で過ごしたからって関西弁を標準仕様で喋るアイドルもいるんだよ。永瀬廉くんっていうんだけど。

 

オリジナル要素も多いけど、原作にも、それぞれの武将にもリスペクトが感じられる作品だよ。廉くんの民放連続ドラマ初主演作品が「新・信長公記」で良かった。