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ぼくはまた君に恋するんだろう

「新・信長公記」第六話考察〜はみだして 交わって 重なって〜

人は城、人は石垣、人は堀、

情けは味方、仇は敵なり。

『甲陽軍艦』より

自国には堅固な城を築かず、領民を守るために領地外での戦が主だった武田信玄。戦国時代、最強とも言われた武田家臣団。信玄の死後、息子勝頼の代に織田信長との長篠の合戦で多くの家臣を失い、武田家が滅びたのは歴史の悲劇。

 

 

「新・信長公記〜クラスメートは戦国武将」

その陸「人は城、人は石垣、人は堀」

脚本:金沢知樹、萩森淳  演出:中島悟

 

 

「最後の勝ちを得るにはどうしたら良いか考えよ」

最後の勝ち=理想の勝利=皆の結束。だから、武田は旗印ではなく、果たし状を送ったのか。自分の挑戦権を失わないように。

 

「俺が大将か」

信長は引っ張るタイプのリーダーではない。ただ、彼にはついていきたい、盛り上げてあげたいと思わせる何かがある。それは座長としての永瀬廉くんにも共通するような気がする。

 
「風信雲書」

空海から最澄に宛てた手紙。悩む武田の後ろに見える書。平安時代真言宗を起こした空海天台宗を起こした最澄はライバル関係でもあったが、友人でもあった。

武田と上杉の関係を示唆しているのか。

(最澄天台宗総本山比叡山延暦寺は信長の焼き討ちにあうんだけど💦)

 

「恐怖とは常に内側にある。己自身の内側に。自分の勝ちに拘るがゆえに敗北の恐怖にさらされる」

「武田、誰かのために戦ってみたらどうだ?」

「自分の勝ちを捨て、誰かのために戦う。そうすれば、お前はもっと強くなれる。それを僕は誰よりも知っているのだから」

「上杉、誰にむかって偉そうな口聞いてんだ」

「我が宿敵であり、そして友である、武田、お前にだ」

 

この言葉に背中を押された武田は家康との直接対決に挑む。家康に倒された恐怖心は身体に染み付いているはずなのに。

傷だらけでも立ち向かう秀吉。

損得無しに信長を守ろうとする黒田。

彼らの生き様に武田はプライドを捨て、次のひと(大将=信長)のために石垣を築く。

 

「自分を裏切るな」

秀吉が明智に送った言葉。史実では、秀吉も明智も信長に才能を見出されて部下になった武将。こちらもライバル。秀吉の部下だった黒田と竹中もライバルで友人。「新・信長公記」は信長が主人公だけど、主人公が関わらない関係性も深く書かれているのが好きなところ。

 

 

信長はいつも他人のために動いていた。

本多のプライドを守り、

武田を追い詰めたヤンキーを倒し、

秀吉にはかつての自分を思い立たせ、

卑屈な明智には自信を持たせ、

みやびを殴った家康に宣戦布告する。

裏切者であっても許し、

器の大きさを見せる。

 

だからこそ、入学時は自分が一番だった武将たちが信長を大将としてついていこうと思うのだろう。

主題歌がichbanじゃなくて、TraceTraceなのは納得だよ。

 

〈今週の戯れ言〉

  • レモネードが無いと騒ぐペリー。幕末の日本人もあれこれ要求されて大変だったろうなあ。壮多くんに会いたいよ〜
  • 旗印じゃなくてもケンカは見たい理事長。なのに解釈違いは許せんって困った人……ラスボスかもしれないね。
  • 家康が博士を殺めたのにも、きっと乱暴だからじゃない理由があるんだろうね。だからといって良いわけではないけど。明智も去っていった孤独な家康くんが救われますように。

 

最後に公式さんが作ってくださったTraceTraceのPVが最高なので貼っておきます。歌詞と映像がリンクしているの、流石です。

【新・信長公記】主題歌「TraceTrace」ドラマオリジナルPV【主演永瀬廉 7月期日曜ドラマ】 - YouTube