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ぼくはまた君に恋するんだろう

映画『うちの執事が言うことには』感想~君にありがとう~


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発表が2018年の5月17日、クランクインが翌5月18日。そこからデビューを挟んで1ヶ月の撮影。そして一年経って、いよいよ公開。

 

映画「うち執」、脚本がすごく良いよ!

 

青島武さん、さすが「あなたへ」で日本アカデミー脚本賞を取られただけのことはある。

 

原作付きは、いつも原作を読んでから観るか、観てから読むか迷っちゃう。けど、うち執は原作を読んでしまって、その魅力にどっぷり浸かってしまったので、原作ファンとしても改変とかキャラクターが全然違ったらどうしようって思ってたんだよね😅でも、大丈夫だった。永瀬廉くんはかわいいピュアな花穎様だったし、清原翔さんは武骨で不器用な執事の衣更月だったし、神宮寺勇太くんは如才ないパティスリー経営者の赤目さんだった。

 

原作も長いお話なので、どのエピソードをどう繋ぐか。原作未読の人にも分かるように。映画として独立した作品になるように。本当に難しいと思うんだけど、つくづく凄いなと思う。原作ファンなら反応する台詞も小道具も入れて。

 

原作小説、コミカライズ版、映画版、全部違って、全部良いよね。ちょっとずつ違う魅力もあって、かつ原作をリスペクトしてるのが伝わってくる。

 

今回、映像化して一番良かったのは、花穎の「色彩感知能力」がものすごく分かりやすくなってたこと。あれだけクラクラする映像を見せられると、眼鏡が無いと疲れるのも一瞬で分かるよ。そんな苦しい思いをしているだろう幼い花穎に「花穎様は他の人よりもご覧になる景色が豊かなのでございます」って言ってくれる鳳さんが温かくて、花穎は愛されて育ってきたんだなあって分かる。

 

部屋の使い方も上手いよね。お父さんが使っていた執務室は(まだ自分が当主だと認められない)使いたくなくて、心を許した赤目さんはベッドルームに通してる。ラストで「当主として使用人を守る」と決意した花穎が、当主の名前で衣更月に辞令を出すのが、執務室ってぐっとくるなあ。

 

落ち着いた色彩の美術も、色合いが美しいカメラワークも、クラシックを基調とする音楽も、すべてが品が良くて心地良い。(サントラ出してほしい……)

 

ミステリーなんだけど、魅力としてはそこだけじゃなくて、むしろ人間ドラマだよね。人と人の絆とか、友情とか、考えさせられるし、見ていてあたたかい気分になるよね。

 

「人が人を信じること」の大切さ、難しさが現れている映画だと思う。最初の「芽雛川家のパーティ」で衆人環視の元で犯人を上げ曝すような真似をした花穎はやっぱり子供なんだよね。

 

最初は、当主としても執事としても人としても、お互い未熟すぎるくらい未熟な花穎と衣更月。自分のことばっかりで、お互いに信頼しあうようになるところも丁寧に描かれていたなあと思う。

 

ベッドルームに入れるくらい信頼していた赤目に裏切られ、自分が傷つけたことを知った花穎のつらさはどれほどだっただろう。でも、それも花穎の輪の中に入れて、包んであげられる。「どうしてこんなことしたの?」「僕は、赤目さんが嫌いじゃないよ」のとてつもなく優しい口調と表情。

 

廉くんの演技力って言うより、本当に「烏丸花穎」がそこにいるようだった。

 

最後、使用人みんなの前で泣いちゃう花穎は、引っ張っていくタイプのリーダーではないけど、ついていきたい、支えたいと思うリーダーなんだなあ。

 

「弱さ受け入れる強さ」があるんだよ。

 

それは、座長として1ヶ月の撮影を乗り切った廉くんにも言えることで。

 

清原さん「人を巻き込む力を持っている」

神宮寺くん「廉が来ると華やかになる」

美青ちゃん「(出来上がってた)輪の中に入れてくれる」

神尾くん「現場ではリーダーシップを取ってくれて、みんなが廉についていっていました。いろいろなところに気を遣ってる姿も目にしましたね」

 

廉くんは雑誌で主演らしいことは何もしていない、差し入れもマネージャーさんやジンが選んでくれたって言ってるけど、共演者や監督がこんな風に言ってくれるの、れっきとした座長だよ。

自分でも、「積極的に話し掛けるようにしてる」って言ってたね。

「当主になる」ってことが、原作読んでもあんまりピンと来てなかったんだけど、映画で弁護士の先生に花穎が「これで本当に当主になるんですか?」と恐る恐る聞いていたり、暇があれば株式レーダーを見てたりする姿に、これまでの守られていたお坊っちゃんから、人を守る立場になったんだなあって、しみじみと感じたんだよね。

 

廉くん、「King & Princeがデビューして変わったこと」に「単純に関わってくれるスタッフが増えた」って答えていたよね。さらっと言ってるけど、デビューって嬉しいけど、その分数字も責任もジュニアの時とは比べ物にならないくらい背負わなきゃいけないんだもんね。

 

「輪の中に入れる」

「自分を大きく見せず、小さく萎縮せず」

これも、廉くんが普段からしてることだよね。

「俺の父さんはパイロットだから小さい頃から転校が多かった。だから、日本中に俺の友達がいる」とジャニアイで語っていた廉くん。

その言葉そのままに「地元の友達」「恩師」「関西ジュニアの仲間」「東京ジュニアの仲間」「事務所の先輩方」「他事務所の友達」「共演者」「メンバー」と、それぞれに良い関係を築くことができる廉くんの「輪」はとてつもなく広くて、カラフルな色に彩られているんだろうなあ。

 

そんな永瀬廉くんの初主演映画が「うちの執事が言うことには」で良かったと心から思う。

 

 


『うちの執事が言うことには』スペシャルメイキング映像 - YouTube

 

 

「君に ありがとう」King & Prince のファーストアルバム「King & Prince」に収録されています。

 

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