青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
「金子みすゞ童謡全集」より
昼間の星は目には見えない。けれど、無い訳ではない。そういえば、東日本大震災の夜は東京でも星が見えたと聞く。3週でもそんな演出があったけど。
このドラマは小道具や衣装に意味があったり、「見えるもの、セリフとして話されるものだけがすべてではない」ということを繰り返し伝えているような気もする。
気象予報も目には見えないものを知ろうとするものだよね。
「おかえりモネ」第18週「伝えたい守りたい」
物語は2017年3月から2019年9月へと進む。
モネはテキパキと仕事をこなすようになり、菅波先生との遠距離恋愛も問題無さそうに見える。
気仙沼では母が祖母の民宿を再会させようとしている。いつになっても、いくつになっても遅すぎることは無い、とメッセージを残して。
だけど、やっぱり思ってしまう。2016年に気仙沼に帰っていった亮は、いまどうしているんだろう。新次さんは美波さんの死亡届を出したんだろうか。
敢えて見せてないんだろうなあ。見せてないけど、考えていてほしい。普通に日常を送っている私たちだけど、被災地も被災者も無くなっている訳ではない、そのことを思っていてほしい。
テレビでは5年、10年の区切りでしか震災のことにも触れないかもしれない。けれど、いま現在も苦しんでいる人はいる。表には姿を見せない宇田川さんのように。
幸せそうな二人を見て苦しさを覚え、モヤモヤしてしまうのは彼らの痛みを知っているから。
台風一過の後、竜巻の被害に会う亀島。
モネが本当に伝えたい、守りたい人は誰なのか。本当に届いていたのか。
最後に及川亮役の永瀬廉くんが24時間テレビ直後に語ったコメントを載せておく。
印象に残った企画を問われると岸優太が被災地を訪れた場面を挙げた。永瀬は「今、朝ドラ(『おかえりモネ』)で、そういう題材の作品に出させてもらっている。いろいろ勉強して、岸さんが取材した姿を見たり、被災された方の話を聞けて深く知れてよかった」と感謝。そして「まだまだ復興道半ばなんだなと改めて感じることができた。よかったなと思います」と口にしていた。
ちなみに、上記岸くんの企画は「被災地で行方不明の妻の身に付けていたものを探すためにダイバーになった人へのインタビュー」。
10年経っても行方不明、なんだよね。